onewanのメモ帳

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ルベーグ積分入門

藤田先生の『「集合と位相」をなぜ学ぶのか』で、ルベーグ積分について触れられていたので、テレンス・タオの『ルベーグ積分入門』を読み返してみた。

ルーベグ積分とは


高校などで習うリーマン積分では上手く定義しきれない対象に対する積分を、ルベーグ積分で上手く定義しています。

リーマン積分可能性はジョルダン可測性に深く関係しています。有界集合に限定したとしても、すべての集合がジョルダン可測という訳ではありません。例えば、一辺が1の正方形の有理数点の集合 [0, 1 ]^{2} \cap \mathbb{Q}^{2}と、一辺が1の正方形から有理数点を除いた集合 [0, 1 ]^{2} \setminus \mathbb{Q}^{2}は、共にジョルダン外測度は1、ジョルダン内測度は0となり、ジョルダン可測とならない。


そこで、ルベーグ測度とルベーグ可測性を、ジョルダン測度とジョルダン可測性から拡張する訳ですが、可測性の方はジョルダンが内測度と外測度の極限が一致する場合と定義したのに対して、外測度から定義することになります。

ルベーグ外測度

ジョルダン外測度は、任意の有界集合 E \subset \mathbb{R}^{d}に対して、有限個の直方体で覆うのに対して、ルベーグ外測度では、可算個の直方体で覆うというもの。

 {\displaystyle 
m^{*} (E) := \inf_{\cup_{n=1}^{\infty} B_{n} \supset E; B_{1}, B_{2}, \dots : 直方体}           \Sigma_{n=1}^{\infty} | B_{n} |
}

ルベーグ可測性

集合  E \subset \mathbb{R}^{d}ルベーグ可測であるとは、任意の  \epsilon > 0 に対して、 m^{*} (U \setminus E) \le \epsilon となるような E を含む開集合  U \subset  \mathbb{R}^{d} が取れることをいう。もし E がルベーグ可測であれば、  m(E) := m^{*} (E) のことをE のルベーグ測度と呼ぶ。

参考文献

[1] ルベーグ積分入門(第2刷), 著:テレンス・タオ, 監訳: 舟木直久, 訳:乙部厳己, 2017.02.10