Qiitaの方に書いたので、リンクを貼っておきます。
https://qiita.com/wagyan/items/dc4ebfb113931751edf3
はてなブログは、また異なる層に届くと信じて。
Qiitaの方に書いたので、リンクを貼っておきます。
https://qiita.com/wagyan/items/dc4ebfb113931751edf3
はてなブログは、また異なる層に届くと信じて。
このブログは 日曜数学 Advent Calendar 2025 の23日目の記事です。
2025年12月20日(土)に開催されたMATH EXPO 2025に参加して来ました。
https://peatix.com/event/4643188:
「数学をポップカルチャーに!」ということで、ライト層に如何にリーチするかが主題の会なのかなと思って参加しました。
講演のお話と、感想などを以下に書かせて頂きます。ご講演をお聞きした際のメモから書き起こしたものなので、記載ミスもあるかも知れませんので、ご留意ください。
専門家たちの文化の周辺に、数学を楽しみたい人たちの文化があるというものだと解釈しました。
撮影もされていたので、後ほどメディアに登場するかも知れないので、ざっとだけ書きます。
円周率を玉突きで求める方法もある。G Galpin 2003。kgの物体Aに、
kgの物体Bをぶつけて、物体Aが壁と物体Bに何回ぶつかるかを数えると、小数点以下n桁までの円周率が現れる。ただし、 宇宙全体を合わせてもたかだか
kgなので、大した桁数は求められない。
というメモがあったのですが、何の式か思い出せないので、ご存知の方はコメント下さい。
以下のようなagendaで話されていましたが、どのようにして情報幾何を作るに至ったかリアルに話されていたので、詳細な記載は割愛させて下さい。
統計的な推論に使いたいということで出来た。その後、物理や学習にも使われるようになった。
ゲームは数学とAIで出来ている。ゲームのAIは、メタAI、キャラクターAI、スパーシャルAIがある。
主催のご経歴から、ビジネス色の強いイベントになるのではないかと邪推しておりましたが、そんな事はなく、非常に楽める会でした。 久しぶりにtsujimotterさんとも話せましたし、笑わない数学の書籍版の編集の方や、昨年転職した知人(主催の方の友人らしい)とも会えたので良かったです。
私も以前は、関西日曜数学友の会の主催や、マスパーティーのスタッフなどをさせて頂いておりました。 それらの経験からしても、このように大勢の人を集めて行うイベントは、講演者へのアポイントメント、会場の確保、機材の準備、式次第の計画とリハーサル、資金の確保など、多くの準備が必要となりますし、その労力や資金源を考えると、何度も開催するのは非常に大変だと思いますが、今回のイベントは参加者から見れば成功していたと思えますし、ぜひとも次回の開催を希望しております。
この記事は 日曜数学 Advent Calendar 2024 の 16日目の記事です。
毎年、文化の日(11月3日)に開催されている近畿大学 数学コンテストに参加しているのですが、2024年度にはカタラン数を応用すると解ける問題が出題されたので、"復習"しようと考えた次第です。
カタラン数*1の一つの定義方法として、個の文字の積の括弧の付け方の総数と定義され、
と表されます。要は、積(二項演算)の結合する順番を考える訳です。
たとえば、であれば、
の1通りなので
。
であれば、
と、
の2通りなので
となります。ここで、
を演算したあとに、
と
を計算したものが1つ目で、
を演算したあとに、
と
を計算したものが2つ目です。
であれば、
、
、
、
、
の5通りなので
となります。
このカタラン数を二項係数を用いた数式で表すと、
となります。
ここで、(一般化)二項係数は実数に対して、
であるとします。また、
はガンマ函数と呼ばれる、階乗を拡張させた函数で、自然数
に対しては
となります。
こいつの証明には、カタラン数が満たす漸化式と、母函数を用います。
カタラン数は、で
という漸化式を満たします。ここで、
とします。実際、
のとき、
の2つの積(二項演算)を最後に行う場合を考えれば、前半は
通り、後半は
通りとなることから分かります。
さて、次に以下のような母函数(generating function)を用います。母函数とは、問題にしている数列(函数列)を係数にした冪級数のことです。ある数列と
が等しいことを示すのに、母函数が等しいことを用いる証明法は、組合せ論では常套手段だそうです。
上述の漸化式を代入すると、
ここでと置き換えると、
二項係数を考えると、
なので、
となる。これを
に関する二次方程式だと見ると
となり、解の公式より
であるが、さらに
のとき
であることを用いると
である。
一般二項定理より、である。
よって、
ここで、
また、なので、
つまり、
であり、整理していくと以下のようになる。
さきほどの式に当てはめると、なので、
で、
となり証明は完了した。
カタラン数は、積の結合順を表すだけでなく、いろんな場面で登場します。以下にいくつかの例を簡単に記載してみました。ぜひ、上述の漸化式が成立することを確認してみて下さい。
最短経路問題において、スタートから上半分だけを通ってゴールに到達する経路をDyck経路といいます。スタートを、ゴールを
としたときのDyck経路の総数がカタラン数
となります。

)
凸角形に異なる
本の対角線を引いて、
個の三角形に分割する方法の総数がカタラン数
となります。

)
内部の頂点を個持つ二分木の総数がカタラン数
となります。

)
今回は、カタラン数について簡単に触れてみました。母函数の考え方も面白いので、ぜひ実際に計算して遊んでみてください。
山田裕史, "組合せ論プロムナード[増補版]", 日本評論社, 2024
みなさん、お久しぶりです
驚きのニュースが飛び込んで来たので、久しぶりにブログを書きます
2024年10月21日、ついに最大の素数が更新されました
桁数はなんと41,024,320桁!!
前回の が発表されてから約6年待ちました
長かった
という形の数はメルセンヌ数といい、素数のときにはメルセンヌ素数といいます
更新に最も貢献した*1のは、元NvidiaのLuke Durantさんで、大きなメルセンス素数をコンピューターで探すおなじみのGIMPS(the Great Internet Mersenne Prime Search)のソフトウェアを利用して計算されたといいます
Durantさんは、活用されていないクラウドGPUが格安で提供されていることに目を付けて、17カ国にまたがるクラウドスーパーコンピューターを構築して、約1年テストを行った上で、
アイルランドのダブリンの NVIDIA A100 GPUで、 がおそらく素数と分かり、さらにテキサスのサンアントニオのNVIDIA H100 GPUで Lucas-Lehmer testを行うことで、これを確定させたといいます
元NVIDAの方がNVIDIAのGPUを用いて見つけたという意味で、NVIDIAさん*2が今回の更新には大きく貢献してくれました
今回用いられたGPUは、LLMの構築にも用いられるA100やH100ということで、ある意味LLMの発展のおかげで、最大の素数が更新されたとも言えてしまうのかも知れませんね
今年の日曜数学Advent Calendarは、最適輸送のお話をさせて頂きます。
最適輸送とは、その名の通り、複数の地点にある資源を、需要のある地点にいかに効率よく運ぶかを考える、物資輸送問題として18世紀頃から研究されていたものだそうです。その後、経済資源の割当や、流体力学の理論に応用されるようになり、さらにはコンピュータサイエンスの世界でも登場するようになりました。
特に、機械学習の世界では、確率分布と確率分布を比較するためのツールとして利用されています。ここで、確率分布としてはヒストグラム、点群、連続分布(経験分布で近似)などが扱われます。
機械学習に詳しい方はご存知のとおり、確率分布と確率分布を比較するものとして有名なのはKL(カルバック=ライブラー)ダイバージェンスです。参考までに離散分布におけるKLダイバージェンスについて下記します。KLダイバージェンスは、最尤推定を行う場面などで現れます。
ただし、とし、ある
において
である場合は
とする。
機械学習を行う場合、分布を近付けたい対象との比較方法として、このKLダイバージェンスにはない最適輸送の利点がいくつかあります。その中でも、「適切な仮定の下で距離の公理を満たす」というものがあります。ここで距離の公理を復習してみましょう。
を集合とする。関数
が、任意の
に対して以下をすべて満たすとき、
は
上の距離であるという
- (1).(非負性)
- (2).(同一性)
- (3).(対称性)
- (4).(三角不等式)
これら4つの条件を距離の公理という(ただし、(1)は(2),(3),(4)から導くことができる)。
KLダイバージェンスは、上記の式を見て頂ければ明らかですが、一般には(3)対称性も、(4)三角不等式も満たさないので、距離の公理を満たしません。
点群の最適輸送問題を線型計画問題として定式化すると、
と表される。ここで
はそれぞれ輸送元と輸送先の点に対する重みベクトル、
はそれぞれ
の確率分布、
は実行可能解の集合、Cはコスト行列、Pは輸送行列で、
は行列の要素同士を掛けた和である。
なお、輸送元の各点から輸送先の重みで輸送すれば制約を満たすので、は実行可能解になります。
最適輸送コスト自体は、最適輸送距離とも呼ばれますが、距離の公理を満たしません。例えば、コスト行列Cが0行列の場合には任意の輸送行列Pが解となり、同一性を満たさないからです。
そこで、距離の公理を満たす最適輸送距離として、以下のようなWasserstein距離を紹介します。
上の距離関数
と実数
について、
と定義する。このとき、
について
を
と
のp-Wasserstein距離といいます
この(p-)Wasserstein距離は、距離の公理を満たします。点群に関する証明は参考文献に載っているのでご参照ください。
今回は最適輸送とWasserstein距離の話を書かせて頂きました。 Wasserstein距離は、何か色々使えそうな予感がするので、もう少し勉強したいなと思っています。
それでは、みなさま、良いクリスマスを!!
[1] 佐藤竜馬 著, 「最適輸送の理論とアルゴリズム」, 講談社
chatGPT(https://chat.openai.com/chat)が世界を席巻しているので、思うところについて整理します。
私はDeep Learningへの期待感から、2017年頃から主に自然言語処理(以下、NLP)の可能性について探るため、色々とウォッチしてきました。具体的には、yans(NLP若手の会)、松尾研のDeep Learning基礎講座に参加したり、JDLAのGeneralist検定や、Engineering資格などを取得したりしていました。
一方で、ウォッチする中で、NLPについては言語の意味理解というシンギュラリティのようなものには程遠いという実感を得たため、最近はローキーでウォッチングに切り替えていました。
そう、chatGPTが登場するまでは。
chatGPTは、Open AI(MSから多額の出資を受けている)が、2022年11月30日に公開したGPT-3をベースにした会話応答サービスで、当初は無料で使えるものでした。2023年2月19日現在は$20/monthのプランが存在し、無料プランはアクセス数が少ない場合にしか繋がらなくなっています。
Open AIに出資しているMicrosoftは、自社製品に順次chatGPTの機能を載せていくと述べ、GoogleはchatGPTを驚異として"Code Red"を出し、対抗馬として対話AI "Bard"を一般公開しました。
日経ではchatGPTをどう見るか、東大・松尾先生、SONY・北野さんなどの意見をまとめています。 www.nikkei.com
自民党では、AI戦略のあり方や政策提言のまとめを行っているようです。衆議院議員の塩崎さんのnoteに説明があり、内閣府やデジタル庁、松尾先生の資料などをダウンロード出来るようになっています。 note.com
現在のchatGPTで用いられているのは、GPT-3.5モデルで、大まかには以下のとおりの手順で学習されていると、松尾先生の資料のスライド18(20230217_AIの進化と日本の戦略_松尾研, https://note.com/api/v2/attachments/download/a29a2e6b5b35b75baf42a8025d68c175 )から見てとれます。
アノテーターが準備しているので、くだけた表現でも正しく理解でき、AI倫理的な側面もカバーされているとのことです。スライド29にあるように、専門知識を要する受け答えに対してのモデルが作れると便利ではありますね。
ただ、専門分野への適用に関して、課題ではないかと思うところがあります。それは、「正解データセットの準備」です。科学の分野では、一度正しいと確認されたものは、普遍的に正しいとされるものが多いです。一方で、人が介在する、法律などは普遍的に正しいという訳ではありません。たとえば、米国などのコモンローの国では、判決がそのまま法律の代わりのような扱いを受け、「先月までは正しかったが今月からは正しくない」という事例も存在し得ます。『日々正解が変わるような分野で、学習させるのに十分な数の正解データセットを準備するまでに時間が掛かるし、どの段階で適用可能と判断するのか』など、非常に難しそうな問題があるように思います。
投資額を考えると、Microsoft, Google, Amazonなどはクラウドサービスを行っているため、膨大な計算機資源を時前で準備することも比較的容易だと思われます(計算機資源の在庫もあるかも知れないし、調達も比較的安価と想像)が、それでも大規模言語モデルを作るのに数百億円は掛かっているようです。 時期的なものを考えると、今から大規模言語モデルを作るには、それなりの時間が掛かるため、後追いの状態になってしまいます。それでも、世界の需要を考察して最適なインターフェースや、サービスとして何が成立するのかを考え出せれば可能性はあるのかも知れません。
自前で作らないとすれば、Big Techが提供するものを利用するので、利用料が発生してしまいます。これは、YouTubeやApple Storeを見ると分かりますが、Big Techに資本が集中してしまう状態を長引かせることになりますので、なんとか国をあげて自前のものを作る方針で行って欲しいですね。
今年のAdvent Calendarは12/9の記事ということで、なんと129について調べて観ようと思います。
自然数を見ると、まずは因数分解したくなるのはサガ*1ですかね。
129は明らかに3で割れますので、 と因数分解出来ます。43といえば日本の県の数ですね。すべての県を魏呉蜀みたいに3つの地域に分けたら129つになるわけで、そういう規模感の数字になるわけですね。何となく、比較的身近な大きさの数字だなあという心象ですね。*2
さて、129自身について他の分け方も考えてみましょう。129って、 に1を足した数字なので、2進法だと10000001と8桁で左右対称になりますね。なんかきれい。そういえば、桁数が偶数で左右対称の数字は10進法だと11で割り切れるんですけど、こいつも11(2進法で3)で割り切れますね。
なお、11の倍数判定としては、偶数桁の合計値と奇数桁の合計値の差が11で割り切れると、11の倍数になるというのが基本にあるわけですが、桁数が偶数で左右対称だと、偶数桁の合計値と奇数桁の合計値の差が0になるので、11で割り切れる訳です。
ここで、「偶数桁の合計値と奇数桁の合計値の差が11で割り切れる」ということの基になっているのは、「11の倍数を引いても、11で割り切れるかどうかの判定は変わらない」ということで、99のA倍をA00(Aは百の位の数字。A=9なら900)から引くことを考えてやれば、となるので、「任意の桁の数字を2桁下に移動(足し算)してやっても、割り切れるかどうかの判定は変わらない」というところから来ています。
2進数だと、上記Aには1しか入らないので、シンプルに100-11=1になり、「任意の桁の数字を2桁下に移動(足し算)してやっても、割り切れるかどうかの判定は変わらない」ので、よってもって「桁数が偶数で左右対称の数字は11で割れる」ことになります。
2進法で10000001は11で割れる、つまり10進法で考えると129は3で割れることが分かるのです。やったね。 ちなみに、2進数を手で数える方法を小学生のときに知ったのですが、それで129を数えるとえらいことになるので、人前で数えるのはやめましょう。 二進指数え法 - Wikipedia
刑法129条は過失往来危険罪です。危険行為はやめましょう。
1.過失により、汽車、電車若しくは艦船の往来の危険を生じさせ、又は汽車若しくは電車を転覆させ、若しくは破壊し、若しくは艦船を転覆させ、沈没させ、若しくは破壊した者は、30万円以下の罰金に処する。 2.その業務に従事する者が前項の罪を犯したときは、3年以下の禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
全然関係無さ過ぎてびっくりすると思うのですけれども、2022年の改正で、懲役と禁固が柔軟に織り交ぜられるように拘禁刑という刑罰に変更されて、2025年から施行される見込みらしいですね。へー。 刑法第129条 - Wikibooks
今年のネタはゆるっとしてみましたので、普段は数学の記事を読まない方にも読んで貰えてたら幸いです。
では、おやすみなさいzzz