onewanのメモ帳

数式が書きたくて始めたブログ。twitter IDは @onewan

勉強会をやっていて思うこと

毎週水曜日に開催している勉強会「ゆるにじたい」が始まってそろそろ2年が経ちます。

当初は「素数と2次体の整数論」(共立出版, 青木 昇 著)を進めるゼミで、1年掛けて読み終わったあとに、さらに「数論序説」(裳華房, 小野 孝 著)を進めています。

そんな中で、これら専門書には行間があることはもちろんですが、誤った記載も見受けられます。おそらく、著者にとっては本質的な部分ではない等もあって、適当に流してしまっているためかと思いますが、循環論法になっている箇所や、根本的に論理が間違っているところもあります。

ここでは間違いを批判するつもりは毛頭なく、そもそも少し間違っている方が、専門書を絶対的に信じるのではなくて自分の頭で考える習慣が着くので良いくらいに思っています。そもそも勉強出来る専門書を出して頂いた著者、出版社の方には感謝しか無いです。

では、何が言いたいかというと、勉強会で折角まとめた内容も、著作権の関係で、同じ本を勉強する方*1に還元出来ないのが勿体ないなあという事です。

無償で公開してしまうと、そもそもの書籍が読まれなくなって、著作権者に損害を与えることになりますので、業界にとっても良くありませんし、また許可なく公開すると、著作権侵害になります*2

そこで、出版社側で、書籍に以下のような権利を付随して貰えないものだろうかと夢想してみました。 ①書籍の購入者は、書籍の勉強会の成果物(まとめノート、勉強会動画など)をある限定公開のwebサイトにuploadして良い権利を得られる。 ②書籍の購入者は、第三者がuploadした上記成果物を、閲覧できる権利を得られる。

こういう形であれば、書籍の売上は下がらないだろうし、成果物をまとめる側も勉強会のモチベーションが上がる、その分野に入門する人は先人の知恵が得られるし、良いまとめがあると評判になれば、むしろ教科書の売上も上がるのではないかと想像されます。

一般の出版社では敷居が高いかも知れませんが、技術書展などの商業誌以外のところから、こういう仕組みが広がっていくと、もしかしたらデファクト・スタンダードになって、気が付けば商業誌も同じ仕組みが取り入れられたりしないもんでしょうかね。

www.kyoritsu-pub.co.jp

www.shokabo.co.jp

*1:追記:ここでは、数年後に同じ教科書を勉強される第三者を想定しています。

*2:追記:もちろん、公開する内容次第ではあります。ここでは、教科書の記載をほぼそのまま書いた上で、行間などを追記したようなものを一般公開することを想定しています。